どうも、中小企業ブロガーのkusanagiです。今日は新人育成に役立つOJTの裏ワザについてお話しします。
OJTって、新人に仕事を押し付けることでしょ???
いやいやいや…。もちろん実作業はしますが、あくまでトレーニングですよ。ここではOJTを成功させるコツを紹介していきます!
新人育成において、OJTは重要な役割を果たしますが、単に業務を任せるだけでは効果が半減します…。
この記事では、OJTのやり方を見直し、効果を最大化させるための7つの裏ワザを紹介します。かなり実践的な方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
勘違いしないで! OJTはただの丸投げではないよ!
OJT(On-the-Job Training)は、単に業務を新人に丸投げするものではありません。
多くの企業ではこの点を勘違いし、新人に仕事をそのまま渡して「自分の力で覚えて」と任せることがありますが、これでは効果的な成長は望めません…。
まず大前提として、OJTの本質は計画的な学習プロセスにあります。それは、新人が「ひとりで作業ができるようになる」ことを目標に、指導者がしっかりとサポートしながら、業務を通じて仕事を身に付けさせる方法だからです。
そのため、上司や先輩は新人の進捗を確認し、適切にサポートすることが不可欠です。
よくある勘違いで「仕事は自分で考えたほうが覚える」思考があります。でもこれは基礎ができている人は良いのですが、まったくの新人には、ただのムチャ振りです。新人は困惑しますし、何よりミスが発生します。まずは「OJT=丸投げ」のイメージを捨てましょう。
中小企業では、OJTは王道の教育方法!
しかしながら、OJTは実務を通じて業務を学び、現場でのスキルを習得できるため、新人が早期に戦力化するのに最適な方法です。
そのため中小企業では、OJTが新人教育の王道といえます。なぜなら、中小企業では時間が限られているので効率よく人材育成を行う必要があるからです。
また、企業文化の浸透や、個々の新人に合った教育が行いやすい点もメリットです。上司や先輩が直接指導できるため、密接なフォローが可能で、新人の成長をスムーズに促進できます。
実務と教育をミックスしたOJTは、新人の早期戦力化を促す理想的な手法なんですね!
そもそもOJTはどう進める?
以下に、OJTを行うための流れを紹介します。
◎教育担当の配置
まずは、経験豊富な社員を教育担当として選び、新人の指導を担当させます。
◎業務の実践
新人に具体的な業務を担当させ、実際に手を動かしながら学習させます。
新人に作業してもらう手順は以下の通り。
- 観察: まずは先輩の業務を観察
- 実践: 次に指導を受けながら実践
- フィードバック: 最後に振り返りと改善点の指導
◎定期的なフィードバック
必ず定期的に振り返りの時間を設け、学んだ内容や達成度を確認します。
◎ローテーション
一定の段階まで進んだら、部署や業務のローテーションを行い、様々な経験を積ませます。
これらは基本的なOJTの手法です。
では次からOJTを最大限に活用するための裏ワザを紹介していきます!
いつものOJTの進め方に効く『裏ワザ』とは
「OJTを行っているけれど、思ったほどの効果が出ていない…」と感じている方に、今回はそのOJTの効果を上げるための具体的なポイントを裏ワザとしてご紹介します。
単に新人に業務を任せるだけでは、期待した成長は見込めません。実は、少しの工夫を加えるだけでOJTの成果を大きく変えることができるのです。
次からポイントを詳しく解説し、OJTを効果的に進めるコツを伝授します。
1.ペアを慎重に選ぶ
中小企業でのOJTの効果を最大化するためには、「ペアの慎重な選定」が重要な要素です。
OJTでは、先輩社員が新人を指導する役割を担いますが、このペアの組み合わせによって新人の成長スピードが大きく左右されます。最低でも、そのペアとなる先輩が業務を正しく理解していることが非常に重要です!
ごく稀にですが、入って数ヶ月のスタッフに、入りたての新人の教育を任せている職場もあるようです…。そうなると、双方とも進め方が分からないため混乱し、最悪の場合、会社へ不信感を持ってしまうことも。ペアは慎重に選びましょう。
また、ペアを慎重に選定することで、新人がすぐに質問できるような雰囲気が生まれます。逆に、相性が悪いペアだと、新人が必要以上にストレスを感じ、成長が遅れる可能性があります。
とはいっても、中小企業では人材が限られているので、ペアが合わなそうな場合もあります。その時は様子を見るため「今週は○○さんが指導します」というように期限付きで組んでもらい、もし相性が合わない場合は次から変更するのもテクニックです。うまく相性が合えば、そのまま継続でOK!
適切なペアリングは、OJTの質を向上させる鍵です。ただ手が空いてるからという理由だけでペアを決めず、新人にふさわしいペアを慎重に選ぶようにしましょう。
2.先輩社員が指導スキルを持つよう教育する
そもそもですが、OJTを担当する先輩社員が指導スキルを持つことが非常に重要です。
OJTは単に業務を教えるだけでなく、新人がモチベーションを維持し、成長できる環境を整える役割があります。そのため、ペアとなる先輩社員に対してOJTの進め方や指導スキルを向上させるための教育が欠かせません。
具体的な方法としては、コミュニケーションスキルやフィードバックの与え方、新人の成長を促進するためのモチベーション向上テクニックを学ばせることが大切です。例えば、細かい指示を出しつつも、適度な自主性を促すなら、新人の成長を促進しやすくなります。
外部の研修会に参加すると費用がかかってしまうので、私は新人を指導するときに「良かったこと」「悪かったこと」を先輩スタッフたちとディスカッションしました。そうすることで、新人を指導するときの手法や方針を、皆で共有することができスムーズです。
3.早めにトラブルの訓練をする
OJTでは実際に起こりうるトラブルを再現し、その解決方法を体験させることで、新人は実践的な対応力を身に付けることができます。
実際の業務に即した訓練を行うことで、新人は即戦力としての成長が期待できます。リアルなシナリオを取り入れることで、単なる座学では得られない実践スキルが身につきます。
また、実際にトラブルが発生した時は、先輩だけで対処してしまうのではなく、必ず新人も一緒にリカバリーに加わってもらいましょう。トラブル対応をリアルタイムで学ぶ機会は、新人の成長に大きく貢献します。
説明を聞くだけでは学べない「現場対応力」や「判断力」は、経験を通じて身に付くものです。いざ自分が同様の状況に直面した際にも冷静に対応できるようになります。このようなリアルな学びを通じて、OJTの効果が大きく向上していきます。
ポイントは、トラブルがあれば「すぐにチームで共有する」姿勢を先輩が見せることです。そうするなら、トラブルはチームで解決するもので、問題点を共有することが大切であることを伝えられますし、そもそも失敗した時の隠ぺいを防ぐ雰囲気も作れます。
4.メモを取るよう教えよう
メモは業務中に学んだことを整理し、後から確認できる貴重なツールです。
特に複雑な業務など、一度では覚えきれない場合、メモを取る習慣を身に付けることで、新人の理解力が向上します。ぜひポイントだけでいいのでメモを取るよう教えてあげてください。
「メモを取らないのはダメなやつ」といった日本企業の伝統を理由にするのではなく、記憶の補助として効果的であることを伝えましょう。
そして、新人がメモを取りやすいよう、先輩も新人に「ここはメモっておこう!」とポイントを教えてあげましょう。重要なポイントや手順など、どの部分が業務で最も役立つかを明確に示すことで、新人が要点を押さえたメモを取れるようになります。
また、先輩自身が話すスピードやタイミングを調整し、新人がメモを取りやすいように配慮してあげましょう。そうすると新人は安心しますよ。
5.楽しい要素を取り入れる
OJTは時に堅苦しく感じられることもありますが、楽しい要素を取り入れることで、新人の意欲を引き出すことが可能です。
例えば、単調で退屈な作業でも、「これはタイムアタックで攻略速度を競うゲームだ!」と見方を変えてあげるなら、作業が楽しめるタスクに変化します。不真面目にならない程度にゲーミフィケーションを取り入れるならOJTも効果が爆上がりします。
さらに、スキルアップを視覚化する仕組みを作ると、新人は成長を実感しやすくなり、継続して学ぶ意欲を高めることができます。楽しさを通じた学びは、結果的に業務効率の向上にもつながるため、OJTにおける重要な戦略の一つです。
自分はいつもモチベーションを高めるために 「仕事はゲームだ!!」 と考え脳を騙します。自分がゲームのプレイヤーになった気分で仕事をすることで、どんな仕事でもゲーム感覚で楽しむことができますよ。OJTでも活用してください。
6.小さな成功体験を積ませる
中小企業のOJTの効果を高めるためには、「小さな成功体験を積ませる」ことが不可欠です。
新人社員は新しい環境や業務に対して不安を感じやすく、失敗を恐れる傾向があります。そこで、達成可能な小さな目標を設定し、それをクリアすることで自信を持たせることができます。
また、その成果を具体的に褒めることも必要です。そうすることで、自己効力感が高まり、次のチャレンジへの意欲が増します。例えば、「作ってもらったプレゼン資料、とてもわかりやすかったよ」と具体的なフィードバックを与えることで、モチベーションを維持できます。
まずは新人に自信をつけてもらい、成長を促進し、OJTの効果を最大限に引き出す鍵となります。
うちの会社は試用期間が2ヶ月間あります。その期間は(よっぽどの事がないかぎり)少しでも出来たことをチーム皆で褒めるようにしています。そうすることで「自分はここに居て良いんだ」と感じてもらうようにします。
7.その仕事の意義や責任を感じてもらう
新人が「ここで働いて良いんだ」と感じられるようになったら、最後のステップとして「働く意義」と「責任感」を教えていくことが大切です。
たとえば、製品の梱包作業であっても、その一つ一つが顧客の満足度に繋がり、企業の信頼を支える重要な役割があります。こうした視点を持つことで、新人は自分の仕事がどれほど大きな意味を持つのかを実感し、責任感を持って取り組むようになります。
このように自分の担当する仕事が、会社にとって必要であること、ひいては社会にとって大切な役割であることを自覚していくなら、新人は指示された作業をこなすだけでなく、自発的に取り組む姿勢が生まれるようになっていきます。
試用期間が終わったら、新人にはOJTで責任感について少しづつ伝えていきましょう。そうすることは、新人が自らの役割に誇りを持ち、意欲的に業務に取り組むための重要なステップとなります。
OJTの進め方は裏ワザで効果をあげよう!
この記事では、OJTの進め方を見直し、効果を最大化させるための7つの裏ワザを紹介しました。かなり実践的な方法ですので、ぜひ参考にしてください。
これらの裏ワザを活用することで、OJTの進め方を効果的に改善し、新人育成において大きな成果を上げることができるでしょう。